新・楽天銀行FXレポート

「勝てる場面はチャートが教えてくれる!?」-FX取引で収益を上げるには通貨ペアと取引タイムフレームの分散投資が必要!-

ファンドマネージャー
石原 順
1987年より株式・債券・CB・ワラント等の金融商品のデーリング業務に従事、1994年よりファンド・オブ・ファンズのスキームで海外のヘッジファン ドの運用に携わる。為替市場のトレンドの美しさに魅了され、日本において為替取引がまだヘッジ取引しか認められなかった時代からシカゴのIMM通貨先物市 場に参入し活躍する。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークには定評がある。現在は数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍中。

楽天証券で『外為市場アウトルック』というFXのレポートを書いている石原順です。筆者はファンドマネージャーとして、4半世紀にわたりFXをメインに取引してきました。FXの取引で収益を上げるには何が必要なのでしょうか?

運用の世界に身を置いて30年になりますが、取引手法の競争激化で、過去に流行したほとんどの売買手法は長期にわたって収益を上げることが難しくなっています。「相場をどう認識するか?」という手段の一つとして、現在ではテクニカル分析の手法を理解することは不可欠です。自由裁量の投資家であってもシステマティックなアプローチと損切り(ストップロス注文)を使わないと、相場で長期的に利益を上げることは難しいと思っています。

今回のレポートでは、筆者が25年以上使っている「ボリンジャーバンドとADXを組み合わせた売買手法」を紹介したいと思います。

すぐれた取引手法は、すべての市場(株式・債券・FX・コモディティなど)とタイムフレーム(週足・日足・4時間足・1時間足・15分足・5分足など)に拡張が可能です。筆者は1990年以降この手法をずっと使っていますが、現在も収益を上げてくれる売買手法の一つです。

誰でも簡単に出来る売買手法です。では、さっそくやってみましょう。

トレードで収益を上げるにはテクニカル分析という道具(ツール)が必要ですが、楽天銀行の「マーケットスピードFX」(PC用トレードツール)か、iSPEEDFX(スマホ用トレードツール)で2つのテクニカル指標を表示させればいいだけです。

マーケットスピードFXのチャートで〈テクニカル選択〉をクリックし、〈トレンド系〉から〈ボリンジャーバンド〉を、〈オシレーター系〉から〈DMI〉というテクニカル指標を選択します。

  • iSPEEDFXでも同様の手順で設定可能です。

ドル/円の日足チャート

〈テクニカル選択〉⇒〈トレンド系〉⇒〈ボリンジャーバンド〉を選択

(出所:マーケットスピードFX)

ドル/円の日足チャート

〈テクニカル選択〉⇒〈オシレーター系〉⇒〈DMI〉を選択

(出所:マーケットスピードFX)

これで、チャートの設定は完了です。ボリンジャーバンドのパラメータを21、ADXのパラメータを14に設定してください。

ボリンジャーバンドのパラメータの設定

(出所:マーケットスピードFX)

DMI(ADX)のパラメータの設定

(出所:マーケットスピードFX)

ドル/円(日足) ボリンジャーバンド(21)とDMI(ADX14)が表示されたチャート画面

(出所:マーケットスピードFX)

ボリンジャーバンドとADXを組み合わせた売買手法の概要は以下の通りです。

  • パラメータ21のボリンジャーバンドを表示させる
    (マーケットスピードFXではBandWIdth(=ボリンジャーバンドの幅)も自動的に表示されます)
  • パラメータ14のDMI(ADX)を表示させる
  • トレンドの発生(保ち合い離れの判定方法)

    ADXが上昇しはじめた時

  • 新規建玉のポイント

    エントリー(新規注文)ポイントはADXが上昇しはじめて、相場がボリンジャーバンド±1シグマの外に飛び出している時

  • 損失を限定しつつ利益を伸ばす手仕舞いのポイント

    手仕舞い(イグジット)は相場がボリンジャーバンド±1シグマの内側に入った時に、トレーリングストップ注文(※)で決済

    ※トレーリングストップ注文とは

    逆指値(ストップロス)注文をより効率的に用いるための注文方法で、ストップロスのための逆指値注文を置いておくだけではなく、実勢の取引レートとほぼ同じ値幅間隔で、ストップ注文の指定レートを徐々に有利な方向へ自動的に追尾してくれます。買いポジションの場合は、相場の上昇に合わせてストップロス注文の指定レートを切り上げてくれます。逆に売りポジションの場合は、相場の下落に合わせてストップロス注文の指定レートを切り下げてくれます。このように損失の最小化と利益の最大化をはかる注文方法がトレール注文です。

相場のトレンドの有無を判定するというテクニカル・ツール(道具)で最もポピュラーなのはJ・W・ワイルダーの考案した「ADX」(平均方向指数)という指標です。

ADXはRSIやピボット、パラボリックと同じく、J・W・ワイルダーが考案したテクニカル指標DMIの中のトレンド判定指標で、通常はDMIと合わせて使われています。

相場に方向性が出てくると、「ADX」は上昇します。「ADX」が低い位置から上昇する場合は、相場がもちあいを離れ、強い方向性をもつシグナルとなります。相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、「ADX」が上昇し、ボリンジャーバンドの+1シグマか-1シグマをブレイクしている時です。

当然ダマシもありますが、日足でも年2~3回程度は大きなトレンドに発展する確率が高いので、タイトなストップロス注文を置いてリスクを取るに値する局面と言えます。

一方、「ADX」(方向性指数)がピークアウト(天井をつけ下落)すると、トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった「レンジ内での乱高下相場」となります。

相場のトレンドの発生はADXが低い位置から上がっていく局面で、これを相場用語では「保ち合い放れ」・「レンジ・ブレイク」・「ボラティリティ・ブレイクアウト」などと呼んでいます。

チャートの白い枠でかこんだ部分が相場のトレンド期で、相場に強いトレンドが発生する兆候はADXが低い位置から上昇しはじめたところです。

エントリー(新規注文)ポイントはADXが上昇しはじめて、相場がボリンジャーバンド±1シグマの外に飛び出している時です。

手仕舞い(イグジット)は相場がボリンジャーバンド±1シグマの内側に入った時か、トレーリングストップ注文で決済します。

ボリンジャーバンドとADXを使う売買手法は、トレンド形成期待の高い局面だけ売買するという手法ですが、当然のことながら、すべての売買がうまくいくわけではありません。必ずストップロス注文を置いてトレードしましょう。

ドル/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
(新規建玉)=赤色の矢印・イグジット(手仕舞い)=黄色の矢印
下段ADX(14)

ドル/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ここで重要なのは、運用成績を毎年安定したものにするためには〈分散投資〉が必要だということです。分散投資とは投資金額を分散していくつかのものに投資する手法ですが、一つのものに投資するとなんらかの要因で投資対象の価値が下落した場合は投資資金がほとんどなくなってしまうので、そうしたリスクを軽減するために行われる投資手法です。

筆者が分散投資を推奨するのは、一つの通貨ペアだけ売買していても収益機会は限られるからです。収益機会を増やし資金効率を上げるためには、資金を分散してできるだけ多くの通貨ペアを取引するのがよいでしょう。

ポンド/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ポンド/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ランド/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ランド/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

トルコリラ/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

トルコリラ/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

豪ドル/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

豪ドル/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

今年の相場は4時間足以下のタイムフレームで収益期待の高い相場が続いています。以下は、ユーロ/円の日足・4時間足・1時間足・30分足・5分足のチャートです。日足というタイムフレームだけ取引しているよりも、より短期のタイムフレームの相場に参入することで、資金効率は劇的によくなります。

どの時間帯で取引するかは、標準偏差ボラティリティの形状が重要となります。循環的にトレンドが発生しているタイムフレームを選択するのが重要です。筆者は今年のトレードでは、4時間足・1時間足・30分足・15分足・5分足を選択することが多いです。

以下はユーロ/円の日足・4時間足・1時間足・30分足・5分足のチャートです。日足だけではなく他のタイムフレームに目を転じると、収益機会が多いことが判ると思います。

ユーロ/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ユーロ/円(日足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ユーロ/円(4時間足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ユーロ/円(4時間足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ユーロ/円(1時間足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ユーロ/円(1時間足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ユーロ/円(30分足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:マーケットスピードFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

ユーロ/円(30分足)白枠でかこっているADXの上昇局面がトレンド相場

(出所:iSPEEDFX)

上段21日ボリンジャーバンド(緑のラインが±1シグマ)
下段ADX(14)

相場に絶対の法則はありません。また、相場を正確に予測することは誰も出来ません。筆者も30年にわたり相場と関わってきましたが、投資の世界はつきつめてやりだすと、終わりの見えないことばかりです。

それでも相場とは一体何かと言うと、それは「確率に賭けるゲーム」だと思います。筆者が心がけていることは、勝つ確率の高い局面で投資を行うということです。

グッドラック・アンド・グッドトレーディング!皆さん、ストップロス注文をお忘れなく!