ホーム > 住宅ローン > 住宅ローン知っ得コラム > 住宅ローン控除 - 初めての確定申告書 書き方・税金の控除について 楽天銀行 行員体験談
(2013年2月19日掲載)
昨年住宅ローンを初めてお借入になったかたの多くは、今年、住宅ローン減税を受けるために確定申告を行うのではないでしょうか。
楽天銀行の行員である私も昨年初めて住宅ローンを借り入れた一人。インターネット専業銀行に勤めている身ですから、インターネット経由で手続きができるe-Taxを利用して、確定申告を行なってみようと思い立ちました。
住宅ローン減税について、まずは確認しておこう。国税庁のタックスアンサー が定番だ。住宅ローン減税と普段言っているが、正しくは「住宅借入金等特別控除」というらしい。所得税の減税措置のようだ。ここでまず、自分は住宅ローン減税の対象であることを確認できた。
次に、e-Taxのウェブサイト でe-Taxの手続きを確認してみた。インターネットにつながるPCはもちろんのこと、住民基本台帳カードとICカードリーダライタが必要と書いてある。ICカードリーダライタは楽天市場で調べてみたら、2,000円くらいで購入できるみたい。ICカードリーダライタは後で購入するとして、まずは、住民基本台帳カードを入手すべく、市役所に向かってみた。
市役所では、住民票取得の時に行く市民課の窓口で手続を行える。住民基本台帳カードは、写真付きと写真なしと選択ができて、いずれも発行手数料は同額だ。私の住んでいる自治体の場合は1,000円。即日交付を希望したので、30分後には顔写真なしの住民基本台帳カードを入手した。
e-Taxで申請するにしても、初めてで不安。まずは税務署で手続きに聞いてみようと思い、出向いてみた。
住宅ローン減税の申請に必要な書類は事前に調べて準備しておいた。私の場合は建売住宅だったので、次の書類だ。注文住宅などは必要な書類が違ってくるので、あらかじめ税務署に確認しておいたほうがよい。
さて、いよいよ税務署の窓口。確定申告シーズンということで大変混み合っており、待つこと50分でようやく職員のかたに相談できるようになった。
私: | 「e-Taxで手続きをしたのですが、どうしたらいいですか。」 |
---|---|
職員: | 「こちらの税務署でできます。」 |
私: | 「さっき住基カード作成してきたので、今、申請します。」 |
職員: | 「当税務署は、住基カードがなくてできますよ。」 |
私: | 「え?!」 |
職員: | 「当税務署は、基本的にはe-Taxにて申請をお願いしています。」 |
(通常の申告は税金の還付まで6週間かかるが、e-Taxは3週間で指定口座に振り込まれるメリットがあるとのこと。また自宅で行う場合、初期登録の手続きが若干だけど面倒ですよと、こっそり教えてくれた。)
どうやら、e-Taxには、インターネットでデータを送信する方法と、確定申告書作成コーナーでデータを入力して、必要書類を税務署に提出する方法があり、税務署では後者で手続きを行えるとのこと。この場合は、住民基本台帳カードが必要ない。市役所へ行って、カード発行したことは無駄になってしまったわけだ。
気を取り直して、早速、税務署に備え付けの端末で入力開始!
開始早々、職員のかたが「間違えると税金の還付がおかしくなるので、注意してください」とおどかしてくれる。
まずは住所、名前、生年月日など。このあたりは間違えようもない。
次は物件情報の入力で、土地面積、建物面積、入居年月日などを入力する。ここは土地と建物の登記事項証明書を見ながら慎重に。
最後に収入関係と住宅ローンの年末残高の入力を行う。これは源泉徴収票と住宅ローンの残高証明書を見ながら入力する。
物件情報までは順調に入力がしたが最後の収入の入力画面に落とし穴があった。
収入の入力画面は源泉徴収票をみながら源泉徴収税などの入力を行い、ひと通り終了すると、「確定申告書」の画面が表示され、終りが近いことが知らされる。
しかし、還付される税金を確認すると、想定していた金額の1/3足らず。どこかで入力を間違えたかと思い収入の入力画面に戻り、1つ1つ確認するが入力漏れはない。最後の「確定申告書」の画面の表示のところで職員のかたに相談。
どうやら「社会保険の控除額」、「生命保険の金額」、「介護保険料の金額」「損害保険の金額」が入力されておらず、還付される税金の計算に反映されていなかったとのこと。
途中で入力の案内は表示されなかったが、確定申告書の画面が出てきたときに入力する必要があるらしく、この入力を漏らすと、還付される金額が少なくなってしまうので注意が必要だ。年末調整後の源泉徴収票を持参していたので、これらの金額が記載されていたが、年末調整せずに生命保険料などもまとめて確定申告を、と考えていた場合は、保険料控除証明書もあわせて用意する必要があることに注意が必要だ。
また、入力終了後にe-Taxであらかじめ決められた利用者識別番号の通知と、パスワード設定が求められるので、必ず忘れないようにしておこう。
結局30分程度で入力手続きも終わり、すべての手続が終了した。
e-Taxの手続き終了後数日で、e-Taxから「税務署からのお知らせ【還付金処理状況に関するお知らせ】」という電子メールが届きました。電子メールに記載のURLアドレスからe-Taxにログインすると、還付金処理状況の確認をすることができました。
ここでログインする際に、確定申告で最後に通知された利用者識別番号と、自分で設定したパスワードが求められます。
当初の目論見とは違って、自宅でe-Taxで確定申告というわけではありませんでしたが、かなり簡単にe-Taxで確定申告を行うことができました。
e-Taxを使って、自宅で確定申告を行えるのは便利だと思う反面、一般的なサラリーマンの住宅ローン減税に関する手続きは、初年度だけ確定申告で、2年目以降は会社が行なってくれる年末控除の手続きで済んでしまいます。したがって、ICカードリーダライタを用意したり、住民基本台帳カードをe-Taxのためにわざわざ用意する必要はないでしょう。
逆に、毎年確定申告を行う必要があるかたには、e-Taxは簡単でしたし、とても便利だと思います。行政サービスも、インターネットを通じて、どんどん便利になっているという印象を受けました。
住宅ローン減税の手続自体はとても簡単でした。まずは、ご自身のお住いの地域の税務署で相談をしてみましょう。職員のかたも親切に教えてくれます。入力方法をあらかじめ知りたい、というかた向けに、e-Taxのウェブサイトでは、入力例をPDFファイルで掲載しています。(平成24年度の場合はe-Tax「トップページ」-「(e-Taxを初めて利用する方)確定申告書を作成する」をクリック、次の画面で「書面提出」のボタンをクリックすると「申告書の作成方法や具体的な入力例」へリンクします。「所得税の確定申告書作成コーナーの入力例」から「住宅借入金等特別控除の入力編」をお選びください。)
私のe-Tax確定申告体験レポートは以上です。これから手続きをされるかたに少しでも参考になれば幸いです。