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(2013年11月11日掲載)

コラム 勇気をもって変動金利を借り換えよう2

個人金融の総合コンサルタントとして活躍されているホームローンドクター株式会社代表取締役 淡河 範明さんのコラム第二弾です。今回は、金利上昇に対してどのくらいのリスクに家計は耐えられるのか、条件変更と借り換えそれぞれの試算の結果は?など詳しく解説。住宅ローンを借り入れているかた注目のコラムです。

執筆 淡河範明(おごう・のりあき)さん

略歴
住宅ローンを借りたい人と金融機関のマッチングサービスを手掛けるホームローンドクター株式会社代表取締役。1965年生まれ。大学卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。2000年に退社、個人金融の総合コンサルティング会社設立。06年に住宅ローンコンサルティング事業を分社し、現在に至る。著書に『住宅ローン1000万円の節約術』(ゴマブックス)、『ウサギのローン カメのローン』(エクスナレッジ)、『顧客がよろこぶ 家づくりの資金計画提案』(日経BP社)などがある。

金利が上昇すると、耐えられる家計と、そうでない家計がでてきます。それは、以下の組み合わせによって、運命が分かれることになります。

  1. 借入期間がどれくらい経過しているか
  2. 家計の余力(FCF)がどれくらいか
  3. 金利がいつ上がるか
  4. 金利がどれくらい上がるか

上記の4つの内、金利がいつ、どれくらい上がるかは、金利予測がからむので、個人が自分の考え方に従い検討すればよい、と考えがちですが、それは間違いです。
本質的にはI、IIの内容を精査し、家計がどのくらいのリスクに耐えられるのかを確認しておかなければなりません。家計のリスク許容度がわからなければ、予測も何もあったものではないからです。
前回は、現在の借入金と家計のリスク許容度の関係を確認しました。では、III、IVのような予測にとりかかるのか、といえばそうではありません。なぜなら、長期の予測は当たらないからです。もっといえば、予測がはずれたら家がとられるような、そんなバクチは避けるべきだからです。
ですから、金利上昇のリスクを正確に把握し、家計がとってはいけないリスクをどうやったら回避できるのか、その対策を講じることこそ、重要だと考えます。

では、金利上昇のリスクへの対策としては、住宅ローンの場合、次の3つがあります。

  1. 借入金額を下げる(繰上げ返済)
  2. 借入期間を短くする(条件変更)
  3. 借入金利の固定期間を長くする(条件変更または借換)

ただ、借入後に金利上昇を抑えようとすると、繰上げ返済をして十分に意味のある借入金額まで落とすには、借入金額の何割かの現金が必要であり、借入金利の固定期間を短くすると毎月返済額が上がってしまうため、家計が苦しくなってしまいます。これらは、現実的な対策ではならないことが多いのです。つまり、既に借入をしているのであれば、借入金利の固定期間を長くすることが有効な対策なのです。

借入金利の固定期間を長くするには、2つの方法があります。

  • 条件変更:現在、借入している金融機関で条件を変更する
  • 借換:他の金融機関から借りることで、有利な条件に変更する

基本的には、①の条件変更を検討しましょう。条件変更であれば、コストが安く、手続きも簡単で、短時間に済むからです。ただ、金融機関は、既に借入しているお客さまよりも新規で借りるお客さまに有利な条件を提示することが多いので、借換をした方が、有利になることもあります。

では、次の前提条件に基づき、検討をしてみましょう。
【前提条件】
2007年10月に3000万円、35年、当初1.875%、全期間優遇1.0%で借入
2013年10月現在で、金利1.475%、毎月返済額90,857円、残高25,712,849円
また、FCF(毎月自由に遣えるお金)は30,000円と仮定します。

条件変更の検討手順を解説します

(ア)現在の借入金の、将来の元利総支払額を試算する
将来の元利総支払額の計算方法は、全期間の元利総支払額を計算し、既に返済した金額を差し引く方法が最も正確です。 今回は、現在の借入金が変動金利なので、将来の金利について、何通りか計算することが必要となります。今回の試算では、これから6年後に1~4%上昇するものとして試算してみます。そして、一度上昇した金利は最後まで同じと仮定し、毎月返済額と元利総支払額への影響を試算します。

変動金利で借りている現状

  金利+0% 金利+1% 金利+2% 金利+3% 金利+4%
毎月返済額の最大値 90,857円 122,122円
(15年後)
151,741円
(20年後)
218,035円
(25年後)
122,122円
(15年後)
元利総支払額 3161万円 3485万円 3860万円 4335万円 4933万円

(注)変動金利には5年特約があり、金利が上昇しても毎月返済額はすぐには反映せず、()内のようにタイムラグがあります

(イ)変更する金利タイプの毎月返済額と元利総支払額を試算する
同一金融機関内の金利タイプの変更については、制約条件がある場合があります。①全期間固定金利を選択できず、固定期間選択型の中から選ばなければならない、②契約時に決めた優遇幅を店頭基準金利から差し引いたものを適用金利とする、③金利変更時には手数料を払う、というものです。
そこで、現在借入しているM銀行として、HPに掲示されている今月の店頭金利から当初契約の優遇1.0%を反映した適用金利を利用して、以下の通り試算します。

  2年固定 3年固定 5年固定 10年固定
店頭基準金利 2.95% 3.05% 3.35% 3.8%
適用金利 1.95% 2.05% 2.35% 2.8%

計算にあたっては、固定金利終了後については、変動金利に戻すこととし、金利の変化については、(ア)で行った試算のパターンを採用します。

毎月返済額の最大値の変化

  金利+1% 金利+2% 金利+3% 金利+4%
現状 104,341円
(10年後)
122,122円
(15年後)
151,741円
(20年後)
218,035円
(25年後)
2年固定 105,620円
(10年後)
123,620円
(15年後)
153,604円
(20年後)
220,714円
(25年後)
3年固定 106,379円
(10年後)
124,509円
(15年後)
154,709円
(20年後)
222,304円
(25年後)
5年固定 106,246円
(10年後)
121,652円
(10年後)
143,038円
(15年後)
180,229円
(20年後)
10年固定 112,012円
(5年後)
121,144円
(15年後)
135,813円
(15年後)
160,832円
(20年後)

(注)色をつけたのは、家計が赤字になる水準

FCFが3万円であることから、現在の返済金額90,857円より毎月返済額が3万円以上増えれば家計が赤字になるということで、どの金利タイプに変更しても2%以上の金利上昇で家計が赤字になり、リスク回避ができないことがわかります。

元利総支払額の変化

金利変化なし 金利+1% 金利+2% 金利+3% 金利+4%
現状 3485万円 3860万円 4335万円 4933万円
2年固定 3522万円 3902万円 4383万円 4988万円
3年固定 3544万円 3927万円 4411万円 5021万円
5年固定 3612万円 3982万円 4420万円 4982万円
10年固定 3721万円 3960万円 4224万円 4550万円

(注)色をつけたのは、金利上昇時の最安値

将来の金利が2%上昇くらいまでは、変動金利のままでいた方がよく、3%以上であれば10年固定に変更した方がよいとわかります。

(ウ) (ア)と(イ)+条件変更手数料で比較し、優劣を比較する
毎月返済額については、現在の金利から6年後に3%上がるだけで、このままでも、条件変更しても、いずれも家計が赤字に転落する可能性があることがわかるため、このままでも、条件変更をしてもリスク回避ができないことがわかりました。(条件変更手数料は、M銀行の場合、インターネットバンキングを利用すれば無料)

借換の検討手順を解説します

このままでも、条件変更でもリスク回避ができないので、借換を検討します。
検討の手順は、条件変更と基本的には同じなので、簡単に検討手順を示します。ただ、借換とは、現在の借入金を一度、全額繰上げ返済した上で、新たに借入を行うことになるため、諸費用を計算にいれたトータルコストで計算して比較する必要があります。

(ア) 現在の借入金の、将来の元利総支払額を試算する 条件変更の場合と同じになります。

(イ) 変更する金利タイプの毎月返済額とトータルコストを試算する
条件変更において、2~10年の固定金利ではメリットがでなかったので、今回は全期間固定金利の代表的な商品であるフラット35への借換を検討することとします。金融機関は、楽天銀行を利用し、楽天銀行に返済口座を設定する前提とします。(楽天銀行は、借換コストが比較的安いのが特徴です)
フラット35の場合、借換の場合、融資事務手数料、金銭消費貸借契約の収入印紙、抵当権設定並びに解除費用、司法書士報酬、団体信用生命保険料(初回分)が、融資の対象となる(繰上げ費用は対象外)。そこで、なるべく現金をつかわない方針で、借りられるだけ借りる前提とすると、借入条件や諸費用等は次のようになります。

現在の借入残高:25,712,849円
融資対象となる諸費用:512,497円
借入対象金額合計:26,225,346円

新規借入額:2622万円、借入期間:29年、金利:1.93%(金額は1万円単位、期間は1年単位)
借換対象とならない諸費用:1,448,042円(団体信用生命保険料含む)
繰上げ費用:25,742円(繰上げ返済手数料、経過利息等)

毎月返済額:98,446円
トータルコスト:3570万円(元利総支払額+借換対象とならない諸費用)

(ウ) (ア)と(イ)で比較し、優劣を比較する
条件変更と同じように、金利の変化に応じた毎月返済額とトータルコストへの影響を試算した結果を比較してみました。

元利総支払額の変化

金利変化なし 金利+0% 金利+1% 金利+2% 金利+3% 金利+4%
現状 90,857円 104,341円
(10年後)
122,122円
(15年後)
151,741円
(20年後)
218,035円
(25年後)
フラット35 98,446円

(注)色をつけたのは、フラット35の方が有利になる水準

トータルコストの変化

金利変化なし 金利+0% 金利+1% 金利+2% 金利+3% 金利+4%
現状 3161万円 3485万円 3860万円 4335万円 4933万円
フラット35 3570万円

(注)色をつけたのは、フラット35の方が有利になる水準

毎月返済額の場合、金利上昇が1%でもフラット35が有利であり、トータルコストの場合は2%でフラット35が有利となるため、フラット35への借換の意義は十分にあるように見えます。

ここで大きな問題となるのが、現在の毎月返済額は90,857円に対し、フラット35に借り換えると98,446円となり、返済額が8千円近く増額してしまうことです。
将来のリスクを小さくするために、このコストアップを許容できるかどうか、そこが争点になってくるでしょう。

ここで、考えていただきたいのが、「金利が2%以上上昇すれば、家計が赤字化してしまう」という状態になるということです。最も避けるべきは、家計の赤字化であるならば、8千円程度のコストアップは安いと考えるべきではないでしょうか。ここは、勇気をもって全期間固定に借り換え、将来のリスクを回避できる選択になるものと思われます。

今回の試算では、金利上昇が6年目に起きる場合の試算ですが、他の期間で計算していただき、自分なりに判断をしていただくのがよいでしょう。


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