中期経営計画

楽天銀行は、2022年4月、ゼロキャッシュ時代の到来を見据えたFinTechのリーディングカンパニーを目指し、更なる顧客基盤の拡充と収益基盤の強化、FinTech領域の成長取込みに向けた中長期ビジョンを新たに策定しました。

1. 経営理念

当行は、銀行としての社会的責任と公共的役割を自覚し、高い自己規律に基づく健全かつ効率的な業務運営を心がけることにより、社会からの揺るぎない信頼と存在価値の確立に努めます。
また、楽天グループの一員として「Mission、Vision、Values and Principles」を共有し、FinTech領域におけるグローバルイノベーションカンパニーを目指し、企業価値を高めながら社会に貢献し、社会との共生を目指します。

Mission ミッション

イノベーションを通じて、
人々と社会を
エンパワーメントする

常識にとらわれず
アイデアを重んじ
イノベーションで
世界を変える

Vision ビジョン

グローバルイノベーションカンパニー

世界中の人々が夢を持って幸せに生きられる社会を創るために、
知力と創造力と想いを結集し、
何事をも成し遂げていく企業文化のもと、
常識をくつがえすイノベーションを生み出し続けることを目指す。

Values and Principles 価値観・行動指針

楽天主義

「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」の2つで構成され、
楽天グループのあり方を明確にする「楽天主義」を全ての従業員が理解し実行する。

「楽天主義」を共通言語として、
何事をも成し遂げようとする高い志のあるアントレプレナーシップ(起業家精神)を持つ。

多様性あふれる従業員一人ひとりが最大限に力を発揮出来る企業文化を育み、
地域との共生を図りながら、
グループ全体で一体感をもって企業価値を高め、
社会の発展に貢献する。

2. 中長期ビジョンの概要

(1) 経済・事業環境の認識
新型コロナウイルスの感染拡大により急速に進展したデジタルシフトは、消費・経済活動の正常化が進む中でも進展が続いております。 当該環境下において、メガバンクや有力地域金融機関は、伝統的銀行業のDXを進めるデジタル・バンキング領域に経営資源の投下を図り、FinTech企業との提携も含めたサービス強化を図る動きが加速しています。また、インターネット銀行においては、グループ内にクレジットカード・証券・保険等の銀行以外の金融機能も取り込む動きが見られ、金融機能を提供する企業間のシナジーを追求する金融ホールディングス化の動きが加速しています。さらには、インターネット関連企業をはじめとする他業態からの金融業への参入の動きもあり、銀行取引においても今後到来することが想定されるゼロキャッシュ時代に向けて、リアルの店舗での取引からデジタル・バンキングでの取引に移行する動きが加速しております。 当行は、2000年の創業以来20年以上にわたり、インターネット上における利便性の高い金融サービスをより多くのお客さまに提供することに努めており、2022年1月末には1,200万口座を突破するなど、多くの個人及び法人のお客さまに利用されています。また、楽天グループの金融機能の中心となるグループ会社のひとつとして、様々な楽天グループ内金融サービスとの連携を深耕してまいりました。このように、“第一の成長ステージ“において、当行はデジタル・バンクの先駆者として金融サービスのデジタル化を推進してきたと自負しております。
(2) 事業拡大の方向性
当行の基本方針としては、FinTechのリーディングカンパニーを目標として、楽天エコシステムとのシナジーを最大限に発揮することで顧客数と顧客当たりの取引機会を増やし、適切なリスクコントロールの下で業容拡大の更なる加速化を進めます。個人ビジネスにおいては、①「生活口座として利用される銀行」、②テクノロジーを活用した時間と場所を選ばない「安心・安全で便利な銀行」として従前のリアル店舗における取引をデジタル化することを目指します。法人ビジネスにおいては、データ及びテクノロジーを使って融資、預金、為替を含めた全ての銀行サービスを顧客のニーズに合わせて提供し、①「取引先企業の規模にかかわらず全ての取引先に利便性を提供する銀行」、②「企業経営者のパートナーになる銀行」を目指し、本邦金融市場におけるシェア拡大を進めます。
(3) 数値目標
3.に示す事業施策の遂行により、FinTechのリーディングカンパニーへの成長実現に向けて、以下の具体的数値目標の達成を目指します。なお、事業規模の拡大に応じた、コンプライアンス態勢、リスク管理態勢、システムの安定性、事務の堅確性等の更なる向上についても必要な経営資源の配分を行ってまいります。

3. 中長期ビジョンの達成に向けた“第二の成長ステージ”としての成長戦略

(1) 顧客基盤の拡充
以下の事業環境と当行の強みを活かし、顧客獲得がさらに加速、中長期目標の達成に加え、長期的にはメガバンクに匹敵する3,000万口座、メガバンクに次ぐ預金30兆円の到達が視野
  • 国内銀行業界におけるデジタルシフトの進展
  • 楽天エコシステムの活用(楽天ポイント、ブランドや知名度、楽天グループ各社との顧客相互送客等)によって既に実現している低い顧客獲得費用
  • 高度な自社システム開発・保守・運用体制に裏付けられた優れたUI/UXを持つサービスとアプリ
  • 効率的な低コストオペレーションを背景とした安価で顧客満足度の高いサービス
(2) 収益力の強化
  • 個人・法人顧客数の拡大による貸出利息収益、手数料収益の増加
  • 当行の信託機能を活用した証券化資産の運用上積み
  • 住宅ローン、カードローン、リバースモーゲージ等に続く、プロダクトラインナップの拡充
  • 適切な管理に基づくミドルリスク運用資産の拡充
(3) FinTech領域の成長取込み
  • 楽天ペイとの連携深化による個人口座のメイン化・生活口座化、法人口座獲得の推進による顧客基盤の更なるアクティブ化、高頻度なタッチポイントを活用したクロスセル、による成長機会の拡大
  • 当行と楽天グループが持つデータとAIを活用した審査・マーケティングの精度向上や銀行アプリのページビューを活用した広告ビジネス及び新規ビジネスの拡大
  • BaaSプラットフォームのパートナーとの連携による新たな収益機会の創出
  • ※1 総務省統計局2022年3月時点
  • ※2 ID登録完了後1回以上ログインをしたことのあるID(退会者を除く)
  • ※3 法人口座を含む
  • ※4 全国銀行協会2022年3月時点
  • ※5 経済産業省2020年「電子商取引に関する市場調査」B-to-C EC市場規模19.3兆円とB-to-C EC市場比率8.08%をもとに、国内B-to-Cにおける商業取引規模を算出
  • ※6 矢野経済研究所「国内キャッシュレス決済市場に関する調査(2021年)」2022年4月20日発表(2020年度における決済市場規模、クレジットカード、プリペイドカード、デビットカード、キャリア決済等の現金以外の支払い手段で決済(支払)された金額を指す)

この目指す事業拡大の実現に向けて、「顧客基盤の拡充」、「収益力の強化(貸出利息収益と手数料収益の両輪の拡充)」、「FinTech領域の成長取込み」を三位一体とした取り組みを推進します。

なお、当行は、より自律的な経営視点と成長戦略の遂行、独自の資金調達を含めた様々な成長及び財務戦略の検討を可能とするために、2023年4月東京証券取引所プライム市場に上場しました。

以上

本資料に記載されている当行の目標、計画、見積もり、予測、予想その他の将来情報については、本資料の作成時点における当行の判断又は考えに過ぎず、実際の当行の経営成績、財政状態その他の結果は、国内外の経済情勢、企業の動向、他社との競業等により、本資料の内容又は本資料から推測される内容と大きく異なることがあります。

楽天銀行株式会社 中長期ビジョンについて(PDF:318KB)