第3章 精神力 【知る】ことで、意志の力を強くする 2
目標設定するための押さえておきたい4つのポイント
「投資目標」を設定するために知っておきたい4つの考え方
投資目標の作り方
前回は、余裕資金とリスク許容度を説明しました。
本章では、それを加味しつつ、投資における現実的な目標設定の方法とそのコツをお伝えしたいと思います。
目標設定で重要になるポイントは、「勝率」、「利回り」、「投資期間」そして「複利」の4つです。
勝率について
まず、勝率ですが、これは言葉通りです。FX取引において、1度の損益確定を「1敗」、1度の利益確定を「1勝」と考え、1勝2敗、3勝2敗などと計算してきます。もちろん勝率がいいことに越したことはありません。しかし、基本的にそこまで重要視する必要はないと思います。
投資の格言に「小さく負けて大きく勝つ」というものがあります。レバレッジによりハイリスク・ハイリターンの性質を持つFX投資では、特にこの格言が適用されるといえるでしょう。
大切なのは、資金を増やすことです。
1勝5敗でも、損切りをしっかりと行い、一度の利幅を大きくすれば資金の増加は実現されます。
利回りについて
資産の運用に関して、期限を決めることは意外と大切なことです。今から何年後に、今の資金をいくらまで増やしていきたいのか、という風に考えていき、それに必要な利回りを決めていきます。
たとえば、500万円を1年間で750万円にしたい、という目標を立てたとき、年間のあなたの資金の利回りはいくらになるでしょうか。
この場合の計算方法は、
『増やしたい額÷元手資金×100』です。
増やしたい額(250万円:750万円-500万円)÷元手資金(500万円)×100=50%
つまり、この場合の利回りは50%となります。
投資期間について
500万円を750万円にする場合、A・「1年で実現した場合」と、B・「10年で実現した場合」、投資期間はAのほうが10倍長いです。
この投資期間の概念は、次の複利を考える上でも非常に大切なポイントになってきます。
複利について
資産運用には「単利」と「複利」という考え方があります。いずれも資産運用においては非常に重要な事項ですので、覚えておきましょう。
単利とは、当初の元本に対してのみ利息がつくという計算方法です。
反面、複利とは、運用期間中に発生する利息を元本に繰り入れ、それを新しい元本として利息を計算する方法です。
たとえば500万円を50%増やそうとした場合、「年間●●%×●●年」と単純に考えるのは、単利の考え方です。
つまり、年間利回り50%目標で、500万円が1年で750万円になった場合、単利計算であれば、次の年の元本も500万円であり、その50%利回りの増額分は250万円です。
しかし、複利計算で考えてみると、500万円が1年で750万円になり、翌年は750万円が元本となります。その年の増額分は、750万×50%で375万円となります。さらにその翌年は、750万円+375万円=1125万円となり、翌年の増額分が562万5000円と、雪だるまのように資金は増えていきます。

これら4つのポイントを考慮しながら、自分の目標を立てていきましょう。
「損得勘定」と「成長欲」を行動原理に
投資に限らず、私はあらゆることにおいて、継続的に成功し、かつ上昇志向を持つには、しっかりと、 “行動原理”に基づいた形にもっていくことが重要だと考えます。
行動原理とは、人の言動の根拠となっている「信念」や「欲望」また「損得勘定」、「仁義」、「欲情」、「価値観」のことなどを指します。
FX投資においては、損得勘定、つまり、自己の利益の最大化は、根本的な行動原理になるでしょう。
前回書いた通り、お金は、ただの社会的なツールではなく、われわれの心に強い影響を与えるものです。500万円の資金が750万円になったら、多くの方は精神的な安定を感じるでしょう。そしてその安定は、正しい判断を行わせる基盤を作ります。
しかし、多くの勝てる投資家にインタビューをしてきて感じるのですが、継続的に投資に勝っている人は、この損得勘定だけで投資をしているわけではないと強く感じます。
何冊か本を出している有名な投資家の方で、本職はサーファーだという不思議な人がいました。
500万円前後の資金を8年足らずで1億円まで持ち上げた方でしたが、その人は「投資で損をしたとき、その実損金額がいくらか、というよりも、なぜ負けたのか、なぜ自分は間違った判断をするに至ったのか、ということを考える」と話していました。
1章で書いた主婦投資家も似たようなことを言っていました。「なぜ、投資判断を間違ってしまったのかを科学的に考えることも好き」と。
このような考えの投資家は他にも多くいました。
失敗しても、分析し、さらに向上していく。
多くの勝てる投資家にとって、この「成長欲」こそが、行動原理になっているのだと思います。
また、これでは自分に負けたくない。人にももちろん負けたくない。もっとうまくなりたい。これで成長できたら、本当にうれしい。褒められたら本当にうれしい。そんな風な気持ちを持つことも、投資家にとって、大きなポイントになってくると思います。
「自己の利益の最大化」と「成長欲」。
この2つを内包していくことが、継続的に利益を上げる投資家としてのメンタルを築くコツなのかもしれません。
