新・楽天銀行FX 口座開設者限定レポート 身につけよう! ~FXで失敗しないための7つの力~

第4章 ファンダメンタルズ分析力 FX投資におけるファンダメンタルズ分析の基礎 3

各国通貨の特徴を知り、分析に活かそう

通貨の特徴を知れば、勝つポイントが見えてくる

ファンダメンタルズ分析の基礎となる情報として、各国の経済状況を把握しておくことが挙げられます。

それぞれの国の経済規模や成長率に加え、通貨の「特徴」、「金利」、「ボラティリティ」、「各国との関連性」などを知っておきましょう。

米ドル
~世界の基軸通貨~

ドルは世界の基軸通貨です。

海外旅行のとき、その国の通貨が米ドルではなかったとしても「円では買えないけど米ドルなら買えるよ」ということがあります。こういった日常の中に、「通貨の信頼」がみられるのです。

基本的に、為替市場も「米ドル対ほかの通貨」という言い方が当たり前になっている通り、米ドルを中心に回っているといっていいでしょう。

以前までは、「有事の米ドル」として、戦争などが起きた際は無条件で米ドルが買われていましたが、米国が戦争(テロ)の標的になることもあり得ますし、深い貿易関係にある国への攻撃などでは、連想してドルが下落することもあります。
それぞれのタイミングで「市場の視点」を考慮しながら震度を測っていきましょう。

他通貨と比べても、取引量は膨大であり、流動性は非常に高いです。

ユーロ
~ポイントは、フランス、ドイツ、イタリアの三カ国~

99年に欧州12カ国の統一国家の通貨として発足したのがユーロです。現在は、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどを含む欧州18カ国で使用されています。2015年1月からリトアニアでもユーロ導入が決定しており、さらなる拡大が期待される経済圏の通貨といえます。

為替市場では米ドルの次に取引量の多い通貨であり、世界的な基準としては、ユーロと米ドルの価格差によって為替の強さを見極める傾向もあります。

国によって、経済の規模も違いますし、景気がいい国も悪い国もありますが、基本的に、「ドイツ」、「フランス」、「イタリア」の三カ国の経済動向がユーロ圏経済と連動していると考えていいでしょう。


~世界的にみると、アジアに連動する傾向あり~

世界から見て日本は「海外から原材料を輸入し、そして加工して売る」という加工貿易国の印象が強いです。

事実、アジア各国とのやりとりが多いため、アジアで何かが起こると、そういった悪影響に反応する通貨という側面を持っています。

また、日本の金利は、金融恐慌以前からゼロ金利政策という世界的に見たらすこし特徴的な状態です。そういう意味では、「円キャリートレード(円を借りて金利の高い外貨で運用すること)」が常に活発であり、恒常的に「売られる傾向」の強い通貨といっても良いかもしれません。

なお、円は私たちに一番なじみ深い通貨ですが、世界市場から見たら、マイナーカレンシーだということも頭に入れておきましょう。

英ポンド
~意外とボラティリティ高め~

英ポンドは、戦前まで基軸通貨としてその存在感を放っていました。しかし、戦後は国力の低下により米ドルにその座を奪われてしまいました。今は、ユーロと米ドルに挟まれて、あまり印象のない通貨になっています。

以前までは、国の長い歴史が通貨に信用を与えている面もあり、安定しているという印象がありましたが、近年ではだんだんそういった印象はなくなってきています。

そのような英ポンドですが、ボラティリティが非常に高く、短期間で大きく利益を上げることが可能な通貨ともいえます。なお、同国は、原油などエネルギー生産が盛んな国であり、その輸出高はGDPの1割を占めます。また、一方で輸入も多いため、原油価格の上下によって国益が増減し、英ポンドの価格変動に影響があることも覚えておきましょう。

スイスフラン
~永世中立国の通貨として《金》と同じような位置づけに~

スイスの印象として、「永世中立国」というものが強いでしょう。

スイスの憲法では以前まで、通貨価値の40%をゴールドで裏付けることが規定されていました。そのため、金との連動性は非常に高く、それがスイスフランに堅実なイメージを植え付けています。

こういったことから、戦争などの有事の際には、米ドルに代わって「安定した通貨」という印象のスイスフランが買われます。

ちなみに、スイス経済はユーロ圏経済に依存しています。つまり、スイス経済に直接的な問題がなくても、「米国の悪化→ユーロ圏の悪化→スイス経済へ悪影響」という連想が起こりがちです。

円との取引では、両方とも金利差が少ないうえに実需による取引が主流なので、値動きは小さいです。

ニュージランドドル
~高金利な農業国通貨~

ニュージーランドドルを見るにあたって独特のポイントは、「農業国として天候に影響を受ける」ということでしょう。ニュージーランドは、貴金属やエネルギーではなく、酪農品や林産物など、天候を相手にした農産業が非常に盛んです。

輸出国なので、スイスや日本と同じく、余りにも自国通貨が高くなってしまうと、海外で農産物が売れなくなってしまい、経済の悪化に繋がりますので、過度に上昇した際には、同国要人の金利の引き下げコメントなどに注目してみましょう。

オーストラリアドル
~鉱山や農業の比重が高い資源国通貨~

オーストラリアは先進国の中では非常に高い金利を維持しています。

財政赤字や国家的な腐敗が少なく、比較的安心して投資できる国でしょう。

またオーストラリアは、金や銅など鉱山物が多く、加えて、農業もGDPのかなりの割合を占めていますので、商品相場全般と連動する通貨です。農業的には、干ばつや豪雨が続くと影響を受けるといえるでしょう。

ボラティリティは高め。

これは、米ドルやユーロ、また円などに比べて、市場規模そのものが小さいからです。

前章の例を使うならば、「小さい湯船の中にちょっとでも水を入れれば、大きく水面が上昇する」ということです。

市場と言うのはそれと一緒の仕組みなので、小さな経済圏だと、ちょっとのお金が出たり入ったりするだけで、大きく動くのです。

南アフリカランド
~高金利だが、カントリーリスクに注意~

南アフリカランドが人気の主な理由は金利の高さです。

今や南アフリカの金利は先進国に比べて圧倒的に高い状況で、スワップ取引の象徴です。

人口は5000万人弱と少ないものの、一人あたりの国民所得はアフリカでもっとも高いです。

工場大国としての側面もあります。ユーロ圏の自動車、例えばBMWやベンツなどの主要生産工場が同国です。大手自動車企業の電気自動車への移行なども、間接的に南アフリカの経済に影響を及ぼすでしょう。

また、最近の経済のけん引役としては、サービス産業と製造業も挙げられます。ただ、政治的なリスクやインフラの不整備への不安が非常に大きく、カントリーリスク(その国特有のリスク)には注意が必要です。

加えて、最近の同国経済は、海外からの投資によって成り立っているので、海外市場で何かしらの経済的インパクトが起きた時は、資金が低リスクの先進国に向かい、南アフリカランド安になる流れが容易に作り出されてしまいますので注意しましょう。

ノルウェークローネ
~産油国としての安定感~

ノルウェーの隣には、推定石油埋蔵量が130億バレルという膨大なエネルギーを有する「北海油田」があります。ノルウェーは世界有数の産油国なのです。

同国のGDPの約30%が石油天然ガスで維持され、同部門は輸出額の約70%を占めており、原油輸出で得た利益を元に創設した年金基金(GPF)を有していることが、ノルウェーの信頼を高めています。

なお、石油・ガスに加え、ビジネスやサービスに関しても、EUとの関係が非常に強いです。スイスと同様、ユーロと連動した動きをみせるのが特徴といえるでしょう。

カナダドル
~「資源」&「工業」のバランスのいい通貨~

国民性また公用語(英語・フランス語)などは異なりますが、地理的に米国に隣接しており、経済的に相互関係があります。

また、世界第二位という広大な国土に豊富な資源を有している国としてコモディティ市場の影響も受けやすいです。主な資源は、石油、天然ガス、鉱物など。資源の輸出だけでなく、工業的にも発展しており、GDP成長率は2%前後を維持しています。

ポイントは流動性の低さでしょう。

流動性が低いということは、値動きが荒くなるということです。その荒さを利用してデイトレードを行うことも可能ですが、米国、ユーロ圏、日本などとは違い、カナダの経済情報はなかなかリアルタイムで取れないリスクも考慮しましょう。

香港ドル
~米ドル・ペッグ制により、米ドルに連動する傾向~

香港ドルの特徴は、米ドル・ペッグ制を採用していることです。

ペッグ制とは経済が不安定だったり、弱い国が通貨の価値を一定水準にとどめさせるために取られる固定相場制度のことです。

そのため、香港ドルは、米ドルの動きと連動する傾向があります。また、金利も米ドルよりも高い傾向にあるため、米ドルのリスク回避として買われる傾向もみられます。

また、香港は経済的に中国経済と直結しているため、中国の経済が好調だと香港株が買われ、香港ドルも上昇するケースがあります。

シンガポールドル
~通貨バスケット制度を利用した安定通貨~

変動幅が一定の枠(通貨バンド)に収まるようにする制度のことを「通貨バスケット制度」といいますが、シンガポールドルはこれを採用しています。同国に中央銀行はなく、シンガポール通貨当局(MAS)が、この制度をはじめ、金融政策、造幣業務などを行っています。

このため、比較的安定的に推移する通貨といえるでしょう。

経済規模は大きくありませんが、堅調な経済成長を続けていることから、投資家に人気があります。

為替の季節性

為替相場には一年を通した、季節による変動要因があります。

季節性とは、例えば、夏にビールが売れたり、冬に灯油が売れたりという時期による変動のことです。それに加え、連休や年間行事による慣例的な相場変動も含まれます。

為替相場の場合は、そこにファンドや企業の動きも入ってきます。これを知らず単年のチャートだけ眺めていると、相場の動きをトレンドだと勘違いしてしまいがちですが、実はトレンドではなく季節的な循環だった、という相場はよくあります。

まず、1~3月は、世界的に年始・年度末の季節です。年度末に為替相場では、リパトリエーションという作業が行われます。

「リパトリ」と略されますが、日本の会計年度末である3月に、日本企業が海外資金を日本円に転換する作業です。

外貨を円に転換するので、日本の景気が悪くても、円が上昇する可能性があります。

4~5月も新しい年度会計の始まるタイミングですので、企業の新しい通貨取引が活発になり、ファンダメンタルズとはかけ離れた価格変動を起こしたりします。

日本では、2、5、8、11月に、外貨建債券の四半期ベースの支払いを行うケースが多く、この時も、円での支払いが必要になりますので、「円買い注文が増加→円が上昇」という流れが作られます。

過去をさかのぼると、円は、「1月」と「4月」にトレンド転換することが多いようです。これは厳密には季節性ではなく、相場のクセのようなものでしょうが、この特性を利用して、1月と4月に天底を打ったと判断した際は、反対売買のタイミングにするのも手です。

貿易から各国の関係性を知っておこう

さて、今回はそれぞれの通貨の主だった特徴を書いていきましたが、いかがだったでしょうか?

特に、ファンダメンタルズ分析的な視点でいけば、世界の国家は貿易などのビジネスによって繋がっているわけですから、各国の主要経済と貿易関係を知っておくことは非常に有利です。

興味を持った方は、さらにご自身で調べていきましょう。

各国通貨の「特徴」「金利」「流動性」一覧
国名 通貨 特徴 政策金利
(単位:%)
  • 2014/10時点
流動性
米国 ドル 主要通貨。不透明感の台頭とともに買われることも 0.25% ★★★★★★
ユーロ圏 ユーロ  フランス、ドイツ、イタリアの経済動向に引っ張られる傾向あり 0.05% ★★★★★
日本 世界的に見るとアジアの動きと連動することも多い 0.10% ★★★★
イギリス ポンド ボラティリティ高め、アクティブな取引に向く傾向 0.50% ★★★
スイス フラン 金と同様、安定的な資産として認知されている 0.00% ★★
ニュージーランド NZドル 資源国として、コモディティ相場に引っ張られることも 3.50% ★★
オーストラリア 豪ドル 高金利と資源国としての安定感の両面を有している 2.50% ★★
南アフリカ 南アフリカ
ランド
高金利通貨として投資家に人気 5.75%
ノルウェー ノルウェー
クローネ
原油産出国として、エネルギー価格の動向に注意 1.50% ★★
カナダ カナダドル 資源国と工業国の両面が魅力 1.00% ★★
香港 香港ドル 経済的に伸びしろが多いことで投資家から人気が集まる 0.50%
シンガポール シンガポールドル 通貨バスケット制度による安定感あり。経済的にも上昇中 0.40%
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